引っ越してみて感じること

本編の写真は全て友人の新多正典氏に撮影いただきました!

『「住人十色」に家族で出てましたよね?』

紀美野町での私たち家族の暮らしをテレビ番組に取り上げていただいて2年以上が経ちますが、今でもたまにそういうふうに声をかけていただきます。そのたびにテレビの波及力はすごいなと実感します。

そしてしばらく会話をしたあと最後に伝えるのはいつも、

「でも今は(この本屋がある)海南市に引っ越してきたんですよ」という言葉です。

自分たちでさえ想定していなかった(経緯を説明すれば長くなり割愛しますが、物事の大きな転換点っていうのは決定的な一つの要因があるということだけでなく、多くのことが複合的に重なり合って変化が起こる、そんな気がします)引っ越しによって、180度といわないまでも大きく暮らしが変わりました。距離にして20kmほど、車で30分程度の住む場所の変化ですが、家のまわりに一万坪以上あった土地が40坪ほどの典型的な住宅地の一角に変わりました。

夜、暗く人気のない集落で明かりが点いているだけで有難がられる、人の存在価値が都会のそれよりも高く、年が若く、子どもがいればなおさら希望の光のようだった存在だったのが、多くの住民に紛れ、特に目立たない存在になりました。

ヤギやニワトリも飼えるはずもなく、野菜や果物も近所のスーパーや直売所で買っています。薪ストーブも古民家にそのまま、テレビに取り上げてもらったような暮らしとは大きく異なります。

それでも夫婦の生活の大きな柱は変わらず、絵本を描き、絵を描き、本を売る暮らしです。

肉付け部分が変わったということでしょうか。きっとその人の大きな柱の部分に農的な暮らしをすること、自然に寄り添った暮らしをすることがあればきっと田舎暮らしの価値は大きく異なると思います。紀美野町に暮らしていた友人、知人は今日も元気に、生き生きと田舎暮らしをしているように見受けられます。田舎でしか生きられない、都会なんかでは暮らせない、そんな人はたくさんいて、そしてインターネットが普及した今、今後もさらに増え続けることでしょう。

私たち家族は海南市に引っ越して以来、スポーツ漬けの日々を送っています。

娘たちはNPOの地域総合型スポーツクラブに所属し、月々定額の会費を払い、先日紹介した一輪車教室を始め、ランニングや体操教室に通っています。

そしてその送り迎えの距離が近い!5分ほどで海南市の総合体育館や市民運動場に送り届けられる距離に住み、送り迎えの負担もそんなに感じなくて済みます。また少し遠いですが、自力で歩いて通える距離に小学校があり、一学年の規模も数倍に増えました。

そしてきっと子どもが生き生きとしているように感じる前に、一番自分たちにとって暮らしやすく、生きやすいと感じているのは自分たち夫婦であって、そういうのは子どもに自然と伝播するのだろうと思います。

田舎暮らし、人が多く住む町での暮らし。もちろんそれぞれに良さ、不便さがあり、どちらが良いかの優劣なんてのはありません。

そしてまたそれはどちらかを選ぶことではなく、できればどちらも経験した上で、選んだ方がきっと満足のいく暮らしができると思います。

そしてそんな僕たちもこの場所でずっと死ぬまで暮らすかなんてことは分かりません。もしかしたらまた田舎暮らしをするかもしれないし、もっと大きな都会で暮らすかもしれない、はたまた海外で暮らすこともあるかもしれない。

また年齢や家族構成、変化によって人の価値観は大きく変わっていきます。

大事なことは、ある程度計画的に考えながらも、その時その時に応じて、えい!と身軽さを持って、柔軟に生きていくことではないでしょうか。

https://radiko.jp/mobile/events/8835927

できるだけ身軽に生きていきたい。今はそう思っています。

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